「アメリカサッカーが今熱い!」アメリカ・ポートランドでプロサッカー選手を目指す

初めまして、アメリカでプロサッカー選手を目指しているKokiです。日本の大学サッカーリーグで4年間プレーし、昨年の6月にワシントン州ベリンハムのWhatcom Community Collegeという学校にサッカー留学しました。ポートランドには数回訪れ、この街に魅力を感じ、いつか住んでみたいと考えていました。同時に、ポートランドにあるセミプロフェッショナルチームのFCM Portland (Football Club Mulhouse)というチームからプレーしてみないかという話をいただき、4月からこのチームに参加。現在はポートランドでプロサッカー選手を目指しています。

 

サッカーの主流はヨーロッパ、それに対しアメリカはサッカー不毛の地と言われてきた。自分が「アメリカにサッカー挑戦する」と公言した時もなぜアメリカ?という質問を何回も受けた。

 

それにはしっかりとした理由がある。

 

まず第一にアメリカがフィットネス大国である事。アメフト、バスケと様々なスポーツで強いアメリカだが全てのスポーツは強く鍛えられた身体がなければ成り立たない。

以前所属していたアメリカのCommunity College(日本でいう短期大学のようなもの)の監督は身体作りに必要なタンパク質の量、摂取するタイミング、回復に必要なケアと水分量、全てを把握していた。

知識だけではない。チームで行われる筋力トレーニング後には、チームからサプリやプロテインが用意され、自由に摂取して良い。ここまでフィジカル面に関して徹底されている事は、自分が通っていた日本の大学ではなかった。

アメリカ大学サッカーの中心は4年制のいわゆるUniversityと言われる大学であり、短期大学のサッカー部はUniversityでサッカーをする為の準備段階の場と言われている。そのため施設や待遇など、全ての面で劣る短期大学であるが、これだけの身体を鍛える為の十分な環境が用意されている。


この写真は以前私が所属していたWhatcom Community Collegeの朝の筋力トレーニングの写真である。毎朝6時からみっちりメニューが組まれていて、選手はそれをこなし、さらに練習後には十分な栄養を摂取する。日本の大学サッカー部にも所属していた私だが、ここまで徹底されている事はなかった。


第二に練習環境である。今までにワシントン州ベリンハム、フロリダ州オーランド、そしてポートランドといくつかの土地を訪れたが、誰でも利用できる公的な施設として何面ものグラウンドが存在した。そこには綺麗な芝生が敷かれていて、誰でも自由に使い放題である。日本にも公園はたくさんあるが、サッカーコートを作る事ができるほど広くなく、固い土できているグラウンドが多いような気がする。
ポートランドには街中に練習を行うグラウンドがいくつもあり、電車を利用しても行く事ができる。実際に自分が所属しているチームは日にもよるが主に3つのグラウンドを使用している。どのグラウンドにも電車を利用して行く事ができるし、アクセス面で優れている。ポートランド・ティンバーズの本拠地Providence Parkもダウンタウン市内にあり、電車ですぐ試合を見に行くことができる。



これがポートランドにあるDelta Park(ポートランド市が運営する運動公園)。


ワシントン州ベリンハムのサッカーコート。人工芝、天然芝合わせて10面以上。


日本ではあまり見かけることがないほどでかいグラウンドである。小さい頃からこのような素晴らしい環境で地道にトレーニングをする事で、将来アメリカを背負って立つスーパースターが生まれるのだと感じる。


第三に最も大きな点はプロリーグの活性化である。1994年のアメリカW杯をきっかけに現在のMLS(メジャーリーグサッカー)が作られた。2010年には下部リーグに相当するUSL(ユナイテッドサッカーリーグ)が創設され、同リーグには複数の日本人選手も所属している。ポートランドにもティンバーズ2というUSLのチームが存在する。(ティンバーズ2には日本人選手は残念ながらいません)


アメリカサッカーの活性化を促進させているのはヨーロッパで活躍した有名選手である。現在はLAギャラクシーのイブラヒモビッチ選手、DCユナイテッドのルーニー選手が活躍している。


それだけではない。日本ではあまり馴染みのない中南米の有名選手もこぞってMLSでプレーしている。昨年の優勝チーム、アトランタ・ユナイテッド所属であり得点王にも輝いたジョゼフ・マルティネス選手はベネズエラ代表のエース。ティンバーズにはアルゼンチン代表のセバスティアン・ブランコ選手が在籍している。


なぜこれほどの有名選手をアメリカに連れて来れるようになったのか。


2002年にMLSは独自にマーケティングを行う事でアメリカサッカー全体を盛り上げた。
実際に各チームのSNSや、スタジアムでのサッカー以外の観客を楽しませるパフォーマンス(ティンバーズでは得点すると木を切るパフォーマンスを行う)が、サッカーファンを増やす手助けをしている事は間違いない。そうして得た収入をさらに投資して有名選手を連れてきている。



アメリカの1試合の平均スタジアム入場者数を知っているだろうか。隣町シアトルのシアトル・サウンダースの平均入場者数は4万人を超える。ティンバーズは21,000人。現在、さらに席数を増やすためにスタジアムの改修工事の真っ最中。(気づいた人もいるかもしれないがシーズンの真っ最中にも関わらず工事を行なっている。もちろんチームは相手チームのスタジアムでしか試合ができず、今のところ下位に沈んでいる。シーズンオフ中に終わらせればよかったのに、、)


長期的に増加傾向にあるMLSの1試合あたりの平均入場者数は2011年には日本のJリーグを超えている。徐々にアメリカ人がサッカーに興味を持ち、スタジアムに足を運ぶようになっている。


アメリカでサッカー選手を志す日本人は少しずつ増加しているように感じる。対戦相手に日本人がいるというのもよくある事だ。アメリカでプロサッカー選手を目指す者にとってプロチームが身近にあるというのはとても大事な事である。なぜならその分スカウトの目にとまりやすいからだ。ポートランドには1部と下部の両方のチームが存在する。


ティンバーズの練習場は日本人が多く住んでいるBeavertonに位置する。ここにも電車でアクセス可能だ。

6220 SW 112th Ave, Beaverton, OR 97008

アメリカではなかなか手に入らない日本食も日本食スーパーの宇和島屋ですぐ手に入るし、練習する為の公園も多くある。グラウンドに行く為の交通網も整備されている。ダウンタウンも近いのでサッカー以外の繋がりを作ったり、イベントに参加したり、アメリカライフを満喫できる。実際に自分はMeet Upというアプリでイベントを探してなるべく学校外の繋がりを作るように励んでいる。もちろんネイティブの方もいるので英語の勉強にもなる。


アメリカでサッカー選手を目指すのにここまで条件が整った環境はなかなかないだろう。2018年準優勝を果たしたティンバーズがあるこのポートランドでサッカーをしてみないか。

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