オレゴンダックスの今シーズンを振り返る:後編

前編はこちら→オレゴンダックスの今シーズンを振り返る(10月〜11月第1週):前編

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11月、ノリにノッてきたダックスは1ヶ月ぶりに本拠地ユージーンヘ戻ってカリフォルニアゴールデンベアーズ(UCバークレー)との一戦。連日の雨と寒さが続くもののファンたちが持つダックスへの熱さは夏から変わりません。

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ゴールデンベアーズも今年はJared Goffという優秀なクォーターバックを有し開幕から6連勝、流れに乗って数年ぶりに全米トップ25にもランクインしたチームで、「もしかしたらもしかしたら敗戦も???」などと心配もされていましたが、ダックスも負けていません。
 
ようやくオレゴンのプレイスタイルが身についてきたアダムズが自ら走る+積極的なパスプレーを見せ前半だけで31点。終わってみれば44-28と、予想だにしていなかった大勝で久しぶりに地元ユージーンでの試合を大勝利で締めました。

 
11月2戦目、ここが今シーズン最大の山になるだろうと言われてきた試合がやってきました。そう、スタンフォード大学戦です。スタンフォードは同じリーグ、ディビジョンに属しており、毎年と言っていいほどダックスを苦しめる厄介なチームです。スタンフォードはこの週の時点でなんと全米7位。この日オレゴンに勝って弾みをつければプレイオフ進出はほぼ間違いないだろうと言われていました。
 
なにしろ、試合はスタンフォードでの敵地開催、完全に実力もサポートもスタンフォード有利なゲーム。ダックスファンの間では「きっと負けるはずだよ、何点取られるかを観に来たんだ。最少失点で抑えて恥じない試合をしてほしいね」などと勝利はまずないだろうという会話を多く耳にしました。
 
しかし蓋を開けてみると、試合は終始ダックスのリードで、後半スタンフォードが怒涛の追い込みを見せるもののダックス決死のディフェンスによって2点差の38-36で勝利。まさかまさかの勝利にポートランドは歓喜の渦に包まれ、ダックスファンのだれもがオレゴンダックス完全復活を確信しました。

Stadium

翌日発表の全米ランクでは23位にランクインし、約1ヶ月半ぶりにトップ25に返り咲きました。
 

23位に返り咲いたダックスは南カリフォルニア大学ことUSCトロジャンズを迎えてのホームゲーム。USCも毎年好成績を収める強豪校ですが、ノリに乗ったダックスはそんな強豪をもろともせず序盤から点を重ね終われば48-28。ダックス完全復活の兆しを見せ、翌週行われるオレゴンステイトビーバーズとの地元対決に大きな期待を寄せました。
 

長いようでとても短いレギュラーシーズンもこの日で最後。
アメリカで最も大きな祝日の1つである感謝祭の翌日に行われたCivil Warと呼ばれる地元対決(アメリカのフットボール史上5番目に古い歴史を持つ試合)でオレゴンステイトビーバーズと対決しました。
 

まるで日本におけるお正月のようなムードの中多くのファンがダックスの今シーズン最後の勇姿を見ようとユージーンヘ足を運び、約60,000人のダックスファンとビーバーズファンが会場詰めかけ、両校の選手に熱い声援を送りました。
 

連日続いた雨も天が味方したかのように試合当日のみ晴れ、大興奮のファンたち皆が今か今かと試合開始を待ち望みました。
 

この日は試合前に四年生のための引退セレモニーが行われました。

Senior Day

選手入口前に下級生が並び、名前が呼ばれて四年生が家族とともに花道を通り、最後にコーチ陣に挨拶する。といった感じです。
 
会場のスクリーン上でも選手の涙を目にし、会場でも別れを惜しむ声を多く耳にしました。

試合は予想通りダックスが一方的に押すワンサイドゲーム、ハーフタイムの時点で得点は既に31-7。連日続く寒さによって第4クォーター開始直後から会場を後にする人もちらほら。。。
 
私自身もこのままじゃおもしろくないからビーバーズ点を取ってくれという願いから第3クォーターからは密かにビーバーズを応援してしまいました笑
 
このままボコボコにされたらコーバレス(ビーバーズの本拠地、ポートランドから車で1時間半)へ帰れないビーバーズ、後半から怒涛の追い上げを見せ、終了10分前でなんと1タッチダウン差まで詰め寄りました。

3rd Q

ここから8分間はシーソーゲーム。ダックスが突き放すとビーバーズが詰め寄り、またダックスが放し、ビーバーズが得点する。こんな点取り合戦がはじまり、ファン大興奮。いつもなら勝利を確信し終了前に会場を後にするファンたちもこの日だけは帰りたくても帰ることができませんでした。
 
試合は結局52-42でダックスが逃げ切っての勝利。最初の大差はかけ離れた接戦を見せファン達を最後の最後まで楽しませてくれました。
 
さて、このビーバーズ戦では他の試合では見られないおもしろいシーンやジョークをたくさん耳にしました。
 
例えば
 
ダックスがファウルを取られると”that’s okay! because they(Beavers) need it!” (しょーがないよ!ファウルでしかビーバーズは前に進めないから!)などとジョークを飛ばしたり
 
「ケガをした傷口にビーバーズのロゴのついた絆創膏を貼ったらケガひどくなった」

Joke

「iphoneで”the biggest loser”とタイプしたら予測変換にオレゴンステイトビーバーズと出てきた」
 

など、たくさんのジョークを耳にして会場でも笑いが絶えませんでしたが、実は前週からソーシャルメディアを使ってのビーバーズとダックスの”言葉の闘い”が止むことはありませんでした。
 
ビーバーズも負けじと前週のホームゲームでは売店で販売していた食べ物や、飲み物を全てダックスのマスコットキャラクターでもあるアヒルの部位に例え、”ダックスを狩って調理してやった”とビーバーズならではのジョークを飛ばしていました。
 
レギュラーシーズンはこの日のビーバーズ戦を持って終了。翌日発表された順位でダックスは15位に位置しました。
 
2年連続のプレイオフ出場は逃したもののお正月に行われるAlamo Bowlという親善試合への切符を手にし、全米11位の強豪TCUことテキサスクリスチャン大学と対戦することが決まりました。
 
ここで、ボウルゲームについて少し説明をします。
 
ボウルゲームとはシーズン中に好成績を残したチームが様々な企業や機構が主催する親善試合へ招待され行うゲームで、40前後の試合が年末からお正月にかけて行われます。
 
レギュラーシーズンで上位4位までに残ったチームはプレイオフへ進み、優勝決定戦を行うので、それ以外のチームがボウルゲームへ参加する、というしくみになっています。
 
ビーバーズ戦から1ヶ月後の1月2日。シーズン最終戦でもあったAlamo Bowlがテキサス州にて行われました。
 
昨年や一昨年のように輝かしい成績残した年もあれば、今年のように苦しい敗戦も経験した四年生にとっては本当に最後のゲーム。オレゴンで培った四年間の集大成として臨んだこのゲームでした。

play

試合は序盤からダックスの押せ押せムード、アダムズとカリントン、そして3年生にしてプロ注目の選手でもあるBralon Adison(アディソン)などの活躍もあり、ハーフタイムの時点で31-0でリード、誰もがダックスのボウルゲーム勝利を確信しましたが事件が起きたのはハーフタイム直前でした。
 
なんと、クォーターバックとしてここまで一戦に立っていたアダムズが再び負傷、チームはアダムズを欠いたまま強豪TCUと戦うことを余儀なくされました。
 
ここで主導権はTCUへ、後半に31点を許してしまい、クォーターバックを失ったダックスは無得点。まさかまさかの延長戦へと突入してしまいました。
 
カレッジフットボールの延長は野球と同じで両チーム一回ずつ攻撃権が与えられ、点差が開いた時点で終了。
 
延長戦は第3ラウンドまで縺れ込む大激闘でしたが、惜しくダックスが負ける形になり、後味の悪いシーズンの終わり方だったことは間違いありません。
 
これを持ってシーズンは終了、前半はパッとしないゲームが多く、今年は無理だといった声をたくさん耳にしましたが、後半の6戦は全勝で私たちファンを本当に楽しませてくれたオレゴンダックスでした。
 
これで四年生の選手たちは卒業、数人がプロの道へ進むことが予想されており、彼らのNFLでのプレーを観るのを楽しみにしたいですね。

  
最新情報

来シーズンの戦いはすでにスタートしています。

まずダックスはアダムズの穴を埋めるクォーターバックとしたモンタナ州立大学から選手を獲得。そして、今シーズン最大の課題であったディフェンス陣を改革するべく現在のディフェンスコーチを先日解雇し、新たに強豪ミシガン大学の元ヘッドコーチを迎え入れる事を発表しました。

シーズン中に課題であった部分の穴埋めを進め、来シーズンに向けて着々と準備を進めるオレゴンダックスにオフシーズン中も目が離せません。来シーズンこそは2年ぶりのプレイオフ出場、そしてチャンピオンシップへ進めることを私も含め、すべてのダックスファンが願っています。

読んでいただきありがとうございました。

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