Get NAKED. 裸で自転車に乗り私たちは訴える。

その日の夕方からポートランドは落ち着きを失っていた。
観光客が多く泊まるダウンタウンの平常さとはうって変わり、ウィラメット川を挟んですぐの東側のコロネルサマーズパーク(Colonel Summers Park)に近づくにつれ感じる異様な雰囲気。

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取材許可を得た私たちでさえ、何が起こっているのか理解が追いつかずに戸惑う。

2015年6月27日(土)夜8時。
Portland World Naked Bike Rideがとうとう始まる。

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スタート地点である公園に通じる十字路は全て封鎖。
公園一帯を通るバスも運行停止。
公園に向かう途中も、車の両側をすいすい追い抜いて行く裸のライダーたち。
地元警察全面協力のもと、裸、もしくはほぼ裸で彼らは何を訴えるのか。

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ドレスコードは「As Bare As You Dare」、思い切って脱げ。
事前のアナウンスで警察はヘルメット着用を推奨していると聞き、裸にヘルメット?!と思いきや、ビジュアルショックはそんなものではなかった。

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実はこのイベント、石油に依存した車社会に抗議して、環境保護を訴えて自転車利用を促すことを目的とした”ちゃんとした”デモであり、2004年から世界中で10年以上も続く国際的なイベントだ。
世界各国の主な都市で毎年この時期に行われているのだが、「KEEP PORTLAND WEIRD」をかかげるポートランド文化の中では特に大きな盛り上がりをみせる。
奇妙な街に住む住民の訴えも多種多様で、エキセントリックパレードだ。

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コスチュームやジュエリー、ペイントや電飾で裸をデコレーションした彼らに埋もれるわれわれ取材班。
服を着ているのは完全に少数派で、ふと、なぜ私は服を着ているのかと恥ずかしくなるほどの異様な雰囲気は、今まで味わったことが無い。

9時スタートだったのだが、全員スタートするのに実質1時間以上かかり、その間も裸で踊ったり歌ったりする参加者たち。
自転車だけではなく、スケートボード、一輪車、ローラースケート、マラソンでの参加もOK。
エコな乗り物ならなんでもござれ。

走り去ってゆく人の群れから、「Get Naked!」「Be Free!」「Join Us!」と声が飛ぶ。
観客は歓声とシャボン玉でそれに応える。デモのイメージとは違い、だいぶピースフルでフリーダムだ。

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混乱をさけるためにコースもゴール地点もシークレット。
参加者もどこで終わるかわからないまま走っていたというから、近隣に最低限の配慮はしているのだろう。
それでも17か国から集まった1万100人(公式発表)を超す裸の集団は、ポートランドの街を混乱させるのに十分だった。
ロンドンで1000人、ロサンゼルスでは300人だったというから、この小さいポートランドの街で人々がどれだけこのイベントに熱狂しているかがわかるだろう。

ゴール地点はホーソン橋の東側で、そこで裸ディスコパーティーが開かれていたが、そこから帰る人もほとんどの人が裸に近い恰好のまま自転車で帰る。

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取材から帰る途中、道端で「おい、俺のパンツはお前が持ってたよね?」とパンツ探しをしている集団や、ネイキッドバイクが行われていることを知らずに遭遇し、呆然とした表情の観光客など、デモが終わっても街は夜中すぎまで騒がしかった。

日本では不可能な海外ならではのこういったイベントは、よりその国への興味がわくきっかけになるのではないだろうか。

必要なのは自転車だけで、参加費も服もいらない。
Get NAKED。 あなたは何を訴えるか。

Naked Bike Ride

web WEBサイト

毎年6月頃に開催。今年はもう終わりました。

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