こんなところにあるなんて。ナイキ本社に行ってみよう

※2017年6月9日一部修正

 

Tシャツでもスニーカーでも何でもいいけど、だれもがひとつは持ってる世界的スポーツブランドのナイキ(Nike)。その本社はどこにあるでしょう?
ニューヨークでもロサンゼルスでもなく、ポートランドらへんにあるんだ、これが。

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ナイキを創業したのは、オレゴン大学(University of Oregon)の陸上選手だったフィリップ・ナイト(Philip Knight)とそのコーチのビル・バウワーマン(Bill Bowerman)。会社がこんなに大きくなった今でも創業の地オレゴンに本社を置いている。

そんなナイキ・ワールド・キャンパス(Nike World Campus)のあるビーバートン(Beaverton)は、ポートランドのダウンタウンから車で10分そこそこ。
雑木林を切り開いた新しそうなアパートメントと郊外型ショッピングセンターが点在する典型的なベッドタウン。

そんなのどかな風景の中に広大な土地を構える現在のキャンパスがオープンしたのは1990年。
グローバル企業の本社というイメージから連想される高層のランドマークもないし、周囲は緑に囲まれていて、知らなければ気付かず通り過ぎてしまう。
何よりこんな辺鄙なところにあるという意外性にびっくり。

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キャンパス内は緑豊かで美術館のよう。さらには、スポーツブランドだけあって、サッカー場、テニスコート、バレーボールコート、バスケットボールコート、400mトラック、フィットネススタジオ、オリンピックサイズのプール、ゴルフのパッティング・グリーンなんかもある。
それらは基本的に従業員とその家族の福利厚生のためのものだから、そんなに頻繁に使われてる様子もないんだけど、手入れの行き届いた整然さはさすがビッグ・カンパニー。

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建物の名前にも、タイガー・ウッズ・センターとか、マイケル・ジョーダン・ビルディングとか、スポンサードした有名アスリートの名前が付いてたりして面白い。
ナイキファンでもそうでなくても、話のタネに訪れてみるのも楽しいと思う。

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と、ここで裏話をひとつ。

ナイキ本社の郵便上の住所(mailing address)はOne Bowerman Drive, Beaverton。だから確かにビーバートンに所在しているはずなのだけど、正式には「ビーバートン市に囲まれた非法人地域(Unincorporated area)にあり、厳密にはビーバートン市内ではない」というなんだかよくわからない立ち位置。

非法人地域というのは、「市町村に相当する自治体に属さない地域」。これは、いかなる土地も漏れなく市町村に属してる日本の制度になじんでるとすごく違和感を覚えるけど、アメリカではよくあること。住民の同意が得られなかったり、なんらかの事情があったりで市町村に編入できてない地域ってことなのね。

ビーバートンの地図をGoogle Mapで見てみるとご覧の通り、すごくイビツな形をしてる。これは、非法人地域がいくつもあって歯抜けになってるという理由が大きい。ナイキ以外にも、ビーバートン中心部にも近くて大きなショッピングセンターのあるシダ―ヒルズ(Cedar Hills)地区も非法人地域だったりする。

でもそれらの非法人地域は、ビーバートン市には属してないけど、その上位の自治体であるワシントン郡(Washington County)には属してる。もちろんナイキ本社もワシントン郡所属。日本では既に形式的な存在でしかない「郡」だけど、アメリカではその役割は大きい。

だけどビーバートン市にとってナイキ・ワールド・キャンパスの編入は悲願。そりゃ税収増がすごいだろうし、そうしたい気持ちはよくわかる。だけどナイキは編入には反対し続けている。

10年ほど前には、ビーバートンの編入計画に対してナイキが反対運動を展開。法廷闘争の結果、計画は撤回され、ナイキが裁判に費やした費用もビーバートン市が負担する判決が下る。さらに、市の議会からも、向こう35年間はナイキの同意なしに編入できないというお墨付きを得る。親ナイキ派の市長候補を支援して当選させたりなんかもしている。うーん、さすが世界的企業の組織力。

どうしてそんなにビーバートン編入に反対なのか。Oregonliveの記事によると、ひとつの自治体とだけ付き合いたい(郡と市の二重行政はイヤよ)、ワシントン郡はビジネスしやすい環境を提供してくれてる、というのがナイキの公式見解みたい。

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でもたとえ編入はできなくても、ナイキがビーバートンにもたらす恩恵はものすごい。前出Oregonlive記事によると、ナイキは年間750万ドルの固定資産税を納めていて、そのうち250万ドルがビーバートンの学校に割り当てられてるんだって(これはワシントン郡への納税分が流れてるってことかな?ビーバートンはワシントン郡の一部だから)。

何より、ナイキ・ワールド・キャンパスだけで8,000人の雇用を生み出していて、そのうち2,000人くらいがビーバートンの住民。従業員とその家族が地域の商店とかに落とすお金も考えると、地元経済への貢献はそりゃあ、すごいよね。

「石を投げればナイキに当たる」と表現する人もいるほど、ポートランド周辺にはナイキの社員かナイキに関係した仕事をしてる人がたくさんいる。地元にとっては、ナイキに出て行かれちゃうことがいちばん怖い。こういう大企業と自治体の駆け引きは日本でも珍しいことじゃないけど、アメリカの場合は自治体の区割りからして企業活動に自由度高いんだなー、と知ることができて面白い。

※本記事にて、「ナイキ・ワールド・キャンパスは一般人も立ち入り自由」と記述しておりましたが、関係者の方からのご指摘を受け削除を致しました。原則として関係者以外の立ち入りは認めておらず、キャンパス内に立ち入る為には、必ずナイキ関係者からの正式な招待を受けてからの訪問としてください。不明確な確認不足の内容を公開するにあたり、皆様に多大なるご迷惑をお掛け致しました事を心より深くお詫び申し上げます。

Nike World Campus

placeOne Bowerman Drive, Beaverton

62番のバスで「SW Murray & Nike」下車すぐ、またはMAX Blue LineのBeaverton Creek MAX StationかMerlo Rd/SW 158th Ave MAX Stationから徒歩15分

web http://www.nike.com/

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