動物園はお好きですか?最後に行ったのはいつですか?
今回は人間より動物の方が好きなMotokoが、ポートランドのオレゴン動物園をご紹介します。ここは大人にも子供にもお勧めです。
動物園は雨の日も楽しい。
オレゴン動物園は、ポートランドのダウンタウンから車はもちろん、電車やバスで行ける。ダウンタウンから西へ3.2キロの距離なので、車や電車だと5~10分。
ポートランド日本庭園(Portland Japanese Garden)や国際バラ試験農園(Rose Test Garden)といった、観光名所が集中しているワシントンパークの一部だ。
私が初めてこの動物園を訪れたのは、高校生の時。当時は名前が「ワシントン・パーク動物園(Washington Park Zoo)」だった。
その時のイメージは、これといって印象に残らない檻とコンクリートの動物園。ホームステイ先の家族と楽しく過ごしたことをうっすら思い出すだけだ。
それから長い時が経ち(いや、ほんとに長い)、いつの間にか名称が「オレゴン動物園」に変わっていた。
そして、動物園のコンセプトも大きく変化し、飼育環境が改善されていた。
今では殺風景な檻は取り除かれ、緑の木々や草地の環境に動物たちを置き、行動や生活を見せる「行動展示型」動物園になっている。
ちなみに従来の動物園は、ただ動物の姿形を見せるだけの「形態展示型」だ。
「行動展示型」といえば、日本では北海道の旭山動物園が有名。この展示方法だとストレスが減り、動物たちがより自然な表情をしているようだ。観る側もくつろいだ気持ちになる。自由を奪う囲いの中に置いているのだから、せめてできるだけ居心地良くあってほしい。
動物園。私の中では賛否両論が混在する場所。
狭い檻の中に野生動物を閉じ込めて自由を奪っている。かわいそう。
でも一方、珍しい動物を身近に観察でき、その大きさや変化に富む色形や佇まいに畏怖の念を抱いたり、可愛さに身もだえしたり。
動物園に行かなきゃ、大抵の人は一生目の前で観ることができない生き物たち。
たとえば下の写真の「アビシニアコロブス(Black and White Colobus Monkey)」。
中央および東アフリカに棲息するこの猿を実際に観れる人はまずいないだろう。白いケープは木から木へ飛び移るときパラシュートになるそうだ。
動物園の他の動物たちと同様、この猿も稀少動物だ。白黒の艶やかな毛皮ゆえ乱獲されたのだ。
動物園は、絶滅危惧種を保護し繁殖させるという役目も果たしている。動物園で繁殖させた種を、絶滅または減少した場所に放して生態系の回復を図るわけだ。
さらに、動物たちを研究し理解を深める場所でもある。
だからとりあえず、自分の中での結論は動物園は「必要悪」。
生き物を愛する者としては、動物たちがみじめな様子を目にすると気持ちが暗くなる。
動物園によっては、リフレッシュしに行ったはずが飼育環境が劣悪で、動物たちがストレス性の行動をしているのを観て、帰るころには憂鬱な気持ちに沈んでしまうことも。
でも、この行動展示型の動物園ではそんなことがなくなったのだ。爽やかな気持ちで動物園を去れる。
オレゴン動物園は、「アジア」「アフリカ」「グレート・ノースウェスト」など敷地が5つのセクションに分かれている。
動物の種類には変動があるようだが、1953年から飼育されているアジア象、クマ、キリン、ライオンなどの大型動物、アマゾンやアフリカの熱帯雨林に棲息する生き物を観ることができる。
ライオンは窓ガラスの向こうに。檻に入っているのを観るんじゃなく、ライオン親子の生活をちょっと覗かせてもらう感覚だ。
こんな環境で見ると、百獣の王のかっこよさが良く分かる。
子供のライオンが産まれて、前回私が訪れた時より数が増えていた。
チータの敷地もかなり広い。野生での行動範囲とは比べものにならないとはいえ、狭い檻にいるより居心地はいいはず。
生き物は緑の中にいるのがナチュラル。目に優しく見ていて落ち着く。
敷地が広大なので、急いで回っても半日、動物好きな人はゆっくり回ると一日でもいれる。
歩きやすい靴を履いて行った方がいい。
お腹が空いたらカフェで軽食を取れるし、レストランもある。
名物はエレファント・イヤー($5)。名前のとおり象の耳のように大きくて、揚げたての平べったいドーナツみたい。オイリーだけど、シナモンシュガーがたっぷりかかっていて、歩き疲れた時のエネルギー補給にぴったり。
園内には「ペッティング・ズー」と呼ばれる触れ合いコーナーが二ヶ所にある。囲いの入り口で手を消毒するのをお忘れなく。
ハクトウワシとは触れ合えないとはいえ、囲みネットの中に入って何の隔てもなく同じ空間で観ることができるのも貴重な体験だ。遠くの止まり木にとまっている。
ハクトウワシはアメリカの国鳥で、よくシンボルとして使われる。
展示室が暗すぎる上、絶え間なく動いているので写真に撮れないのだけれど、オレゴン動物園で私のお気に入りは、「ハダカネズミ」。(興味のある人、ググってみてね。)
まる裸で前歯が二本出っ歯になっている、それはそれはユニークなゲテモノ的ネズミ。
動物園では、地下のトンネルにうじゃうじゃと住んでいる様子を見れる。 (アリの巣を見るのと同じ要領。)
そして、豹柄が大好きな私の一番のお気に入りは、何といってもヒョウ。展示の仕方がよく考えられているから、ヒョウがねそべっている様子を目の前で観れるし、すぐそばを歩き回るのを観ることもできる。
豹柄はやっぱり美しい。
この動物園ではまだまだ拡張工事が続いている様子。今は象の敷地を整備中だ。
どんな象園ができるんだろう。
これからも飼育環境を改善して、動物たちがもっともっと居心地の良い動物園にしていくよう期待したい。
出入り口近くにある、動物園ショップに立ち寄るのをお忘れなく。
過去の「オレゴン動物園でお土産を買おう」記事も参考に。
Zoo railway という機関車で、園内を一周(有料)することもできる。
冬場には「ズーライト(Zoo Lights)」と呼ばれる夜間のライトアップを楽しめる。
Oregon Zoo
4001 SW Canyon Rd, Portland, OR 97221
冬 (Jan. 1 – Feb. 29) 10am – 5pm, 春 (March 1 – May 25) 9am – 5pm, 夏 (May 26 – Sept. 3) 9am – 7pm, 秋 (Sept.4- Dec. 31) 9am – 5pm
毎月第二火曜日は$4
小さな子供用のカート有
TEL:503-226-1561
有料駐車場 有り
公共の交通手段を利用するよう推奨されている(Maxの乗車券を提示すると、入園時に割引が適用される)。MAXライトレールのワシントンパーク駅で下車。