ポートランドで作り続けられている日本伝統の味噌 ‘Jorinji Miso’

昨今のいわゆる“ポートランドブーム”で日本人の観光客が増え、日本の製品が海を越えてポートランドにやってきてはいるものの、いまだに本当の日本食にめぐり合うのが難しいオレゴン州。
隣のカリフォルニアやワシントンに比べると、カジュアルにアメリカナイズされた日本食がはびこるポートランドですが、そんなポートランドで20年も前から日本伝統の味が作られていることをご存知でしたか?

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成林寺味噌(Jorinji Miso)

ポートランドで手作りされている生味噌ブランド。
今朝飲んだ味噌汁を思い浮かべながら、ちょっと聞いてほしい、そんなお話。

私がその味噌を知ったのは、毎週土曜日ポートランド州立大学で行われているファーマーズマーケット。
Mio’s Delectablesでどのスイーツを買うか悩んでいると、ビッグスマイルで味噌クッキーをおすすめしてくる店員さん。
「ポートランドで20年も作り続けている味噌を使っているんですよ。」

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気になる。しかも味噌クッキー美味しい。それが、ゆりさん。
成林寺味噌のオーナーのEarnestさん(アーネストさん)を手伝いを始めて1年ほど経つらしいのですが、あれ、Earnestさんって・・・去年のNorenPortland半周年記念のランチ会に参加してくださってましたよね・・・

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味噌とケーキ屋とNOREN。
なんとも奇妙で温かいローカルの繋がり。うれしいです。

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さて、味噌というと重要なのは麹。毎日温度や湿度を考えながら、赤ちゃんのように世話をしているというこちらの麹(米麹)は、日本から持ってきた米麹菌を使い製造したもの。米麹菌は日本固有のもので、アメリカには存在しないんだそうです。

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厨房に行って驚くのはそのサイズ。ポートランドの小商いはたくさん見てきたつもりでしたが、ここは私の家のキッチンと変わりない大きさ。
ここで20年。ビジネスというより、Earnestさんの人生の20年を感じます。

日本で食品業界に携わっていたゆりさんは、Earnestさんの作り方を見てすぐに、もっと効率よく出来る!と気が付いたそう。

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昨年、ゆりさんが日本に味噌作りの勉強と道具調達に行き、成林寺味噌に革命を起こしたのがミートグラインダーとよばれるミンチ肉を作る機械。

以前はフードプロセッサーで少しずつ大豆をつぶしていたのが、このグラインダーを使うことで効率が4倍になったとか。
効率だけ考えるのではなく、大豆の形が少し残った成林寺味噌ならではの特徴を守るために、ミンサーの穴の大きさにはこだわったそうです。

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つぶした豆を冷まして塩と混ぜ、麹と混ぜる段階で、なんとお手伝いさせていただきました。
味噌汁が実家で出てきた覚えがない私には、まったくの初体験。
ポートランドで日本の文化に触れる、不思議に懐かしい感覚です。
「いつでもボランティア募集してます」ですって。

容器に入れたら早くて半年、種類によっては3年ほど地下で眠らせておくのだそう。

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私のお気に入りは、ヒヨコ豆の味噌。
お客さんが「君の味噌を食べたいけど、大豆アレルギーなんだ。」と言ったのをきっかけに、ヒヨコ豆の味噌を作り始めたんだそうで、たった1人の声も拾い上げて頑張っちゃう消費者との近さがすごい。
これが、20年も日本の味噌が地元の人に愛され馴染んだ理由なんですね。

かと言って、日本食に対する壁はまだまだ無くならないそう。

健康食ブームで日本食が流行っても、味噌の使い方が分からない人が多く、日本の味噌の使い方にこだわらないレシピ開発もされているとか。

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こちらは”味噌ポークチャウダー”。

豚肉や野菜を煮込み、味噌とバルサミコ酢で味付けしたスープですが、今回はこれをさらに煮込んで汁気をとばしたものをトーストしたパンに乗せていただきました。
他にも、ホームページにレシピを掲載したり、試食とともにレシピカードを配ったりして、味噌に親しんでもらう工夫も。

ポートランドではUwajimayaや、New Seasons Market、Market of Choiceなどで購入可能なほか、今後は店頭でのデモンストレーションも積極的におこなっていくそうです。

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置いてもらうスーパーも、1軒ずつ自分たちで行って雰囲気を確かめて頼むと話すお二人は、まるで我が子の話をしているかのよう。

味噌と歩むポートランドでの豊かな生活。ちょっぴりうらやましい。

Jorinji Miso

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