ハッピーアワー・ハンター その2 NORANEKO & biwa

飲んだ帰りをラーメンで締めくくりたい人にとってポートランドは不便なところ。最近は新しいラーメン屋がどんどん開店してるけど、ほとんど9時前には店じまい。物足りなくて、帰宅後にインスタント麺を湯がいた夜は数え切れない。

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そんな「眠らなくない街」ポートランドで深夜2時まで営業してるのがNORANEKO(のらねこ)。ダウンタウンからホーソン・ブリッジを渡ってすぐのWater Ave.にある。日本のシメラー文化を理解する唯一のラーメン屋がアメリカ人経営っていうのも何だか面白い。アメリカ人好みに作られたラーメンは、日本人の標準からすると”何かちょっと違う”けど、美味しいことには変わりない。
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味は塩、醤油、味噌、ベジタブル、カレーの5種類(各9ドル)。慎重派には塩か醤油を、チャレンジャーにはカレーをオススメ。ちょっと面白い感覚を味わいたい人は味噌を。食べた日本人の感想はだいたい同じ。「あ、これってアノ味」。そう。日々の食卓に並ぶ、ほっとするあの味。

ぼくのイチオシはベジタブル。キノコ系でスープを取ったベジタリアン向けメニューなんだけど、ベジタリアンじゃない人にもオススメ。ベジ向けというと、ヘルシーな淡麗系スープを想像するかもしれないけど、これはそうじゃない。動物系使えないが故のパンチ不足を醤油の濃さで補ってる感じで、あまりヘルシーではなさそう。そんなジャンク感が好き。焦がし醤油風の苦みも病みつき。
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財布とお腹に余裕があれば、ぜひここにチャーシューをトッピングしてほしい。ベジタブルラーメンに肉入りという”台無し”感。なんだかイケナイことをしてる感覚に興奮する。チャーシューは2種類。肩ロースを使った純中華風のclassic chasyuと、バラ肉を使った脂身トロトロのpork belly chasyu。各3ドルだけど、両方が楽しめるboth chasyu(5ドル)もある。ここのチャーシューは、本場日本のラーメン屋とも勝負できる美味しさだと思う。ちなみに下の写真手前がベジラーメンのboth chasyuのせ(計14ドル)、奥の左が塩ラーメン、右が味噌ラーメン(各9ドル)。

ニンニク入れますか?な気分の時にはお得な無料トッピング「extra garlic」を。生のニンニクが絞り器付きで出てくる。

ところでNORANEKOのハッピーアワーは4~6時。通常8ドルのチューハイが5ドルで飲めるのと、軽いおつまみ系が一律2ドルになる(小さいけど)。個人的にはチューハイよりも常時4ドルのサッポロ・ドラフトビールの方が圧倒的にお得と思うんだけど。アメリカ人にとってはチューハイってカクテルの一種でオシャレな飲み物って感覚なのかもしれない。写真はハッピーアワーのチューハイ(5ドル)と水餃子とスパイシー豆腐(各2ドル)。

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実はNORANEKOは開店当初、深夜12~2時の間にラーメン5ドルのハッピーアワーをやってたんだけど、今はもうない。でも、姉妹店の居酒屋biwa(ビワ)に行けばある。毎日5~6時と9~10時(金土は11時まで)なら、ラーメン(卵入り)かうどんが5ドルで食べられる。ただし、カウンター席に座らないとこのサービスは受けられないというのがポイント。biwaのラーメンの通常価格は15ドルとけっこうお高め。たぶん、通常版よりもサイズは小さいと思うけど(通常の食べたことない)、ハッピーアワーラーメンはかなりのお得感がある。

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biwaのハッピーアワーラーメン(この日は醤油味)

文字数が余ったのでラーメンマンの話をさせてください。ぼくの世代が子供の頃に夢中になったマンガといえばキン肉マン。その中でも屈指の人気超人ラーメンマンを主人公にしたスピンオフ作品「闘将!!拉麺男」(たたかえ・らーめんまん、と読みます)っていうのがあって、拳法の達人ラーメンマンさんが、広い中国を旅しながら悪者どもを懲らしめていくというお話。

かなりムチャな設定だらけのマンガではあるんだけど、ぼくには妙に印象に残っている話がある。ある日、激闘で負った傷を癒すため温泉街にやってきたラーメンマンは、「大量のリンゴを浮かべて入ると傷に効く」と信じて、ひたすらリンゴの皮をむき続ける。ラーメンマンにはシューマイという弟子のガキンチョがいるんだけど、リンゴに夢中の師匠に「毎日雑用ばっかりでぜんぜん拳法を教えてくれない」と文句を垂れる。ラーメン師匠は「文句言うてんと、手動かしや。リンゴの皮むきで集中力が鍛えれるんやで」と説得にかかるも、ますますふてくされるシューマイ君。

師匠にかまってもらえずフラストレーションの溜まったシューマイ君は、「俺はかの有名なラーメン先生の弟子だぜ!」と地元の拳法道場で修行に励む少年にケンカを売るも、帰り討ちにされてしまう。

「やっぱり師匠が教えてくれないからだ、もう弟子辞める!」と逃げ出すんだけど、老師(ラーメンマンの師匠)に発見され、「ワシも3年くらいはラーメンに何も教えず雑用ばっかりさせとったで。さあ、早くリンゴの皮をむく作業に戻るんだ」と言いくるめられたシューマイ君。観念して徹夜でリンゴの皮をむくうちに開眼。さっきの拳法少年にリベンジを果たすという話。

いくら当時小学生だったとはいえ、リンゴの皮むきでケンカが強くなるなんてさすがに思わなかったけど、この話がきっかけでリンゴの皮むきをしてみたくなって包丁の使い方覚えたんだよなーと今でも思い出す。

そして、ぼくがアメリカに来ていまだになじめないのがリンゴの丸かじり。「リンゴ食べる?」って言われて丸ごと渡されてもあまり食べる気になれない。やっぱり皮はむいた方がいいと思う。

またどうでもいい話をしてしまいました。biwaの看板娘カエラさんの写真で和んでください。

「夕焼け新聞」掲載記事より転載

NORANEKO

place 1430 SE Water Avenue, Portland

time 毎日11am-2am

web WEBサイト

TEL:(503) 238-6356

biwa

place215 SE 9th Avenue, Portland

time 毎日5pm-Midnight

web WEBサイト

TEL:(503) 239-8830

夕焼け新聞
ポートランド・オレゴンの在日邦人、日系アメリカ人向け月刊フリーペーパー

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