ポートランドで一杯のビールから世界を変えよう!「The Oregon Public House」

「美味いビールを飲む自分の幸せな時間が
他の誰かの幸せにもなっていたらどんなに素敵なことだろう」

住民の積極的な社会参加はポートランドの魅力を支える重要なピースだ。人口当たりのNPOの数は全米で1番、これは非営利活動に対する理解の土壌が培われてきたことはもちろん、それに際して様々な参加のカタチがあることも大きな要因であると言える。

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今日はそんな中「お店の純利益の全てを非営利団体に寄付する」という、これまでにない参加のカタチを作り出したパブ「ザ・オレゴンパブリックハウス(The Oregon Public House)」をその雰囲気に負けじと少しクールに見てみよう。

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オレゴンパブリックハウスはダウンタウンから橋を渡り少し離れたDekum St(デッカムストリート)に面した場所にある。ダウンタウンからは8番のバスで30分ほど、この辺りは他のパブやコーヒーショップもあり、ポートランドでも穴場のエリアと言える。

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見た目は普通にオシャレなパブだがカウンターの前に立てば、その取り組みは見えてくる。

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カウンターのボードに書かれた数字はこれまでの寄付額。壁に掛けられたボードに乗っている団体が寄付される団体。

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ここがポイントだ、オーダーする際に聞かれることは3つ
「フードは何?、ドリンクは?」そして最後に「どこに支援するの?」
パイント一杯のビールから出来る寄付の支援先をお客さんが選択する。コンビニの募金箱やお店が独自に支援するのと違って自分で「選ぶ」という行動が加わるだけでずっとその取り組みについて興味が湧く。入り口には団体のリーフレットもあるからどんな活動に役立つかも知ることが出来るし、これを機に実際の活動に参加してみるのも悪くない。

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設立当時は1年を通して寄付する団体を固定していたが、この取り組みに共感し加わる団体は年々増加、今では6団体を3ヶ月を周期にローテーション。来年にはまた周期を変えるが、訪れるたびに多くの活動を知ることのできる良い機会にもなるだろう。

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知ることができるのは非営利団体だけではない。ビールも同様にローカルタップから12種類がローテーションされている。このシステムはダウンタウンにある「Bailey’s Taproom」と同じもの、$500からのファウンダーに成れば毎月、毎週、毎日と出資に応じてビールが1杯無料で提供される。

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写真は「Winter Classic Hungariam Goulosh ($12)」
ビールに合うフードは月やイベントによっても変わるが$10前後がほとんど、少し大きめの料理はみんなでシェアするのもいいだろう。毎回違う組み合わせで味を楽しむことが出来るし、ハッピーアワーが2pm~4pmと少し早めなので平日にゆっくり作業しながらビールと食事を楽しむのもいい。

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食事を通してだけではなく、チャリティーイベントを実施することも可能だ。2階はホールになっており、音楽やコメディーなどなど希望によって多様な使い方が可能になっている。ホームページやSNSからこうした機会を狙っていくのも良いだろう。1階にはプレイルームもあるので子ども連れでも安心だ。

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非営利団体に属していなくても自らオレゴンパブリックハウスボランティアとして関わることも可能。事前にホームページから連絡すれば誰でも4時間お店で働くことでビール1杯と料理が1品提供される。せっかくポートランドを訪れるなら事前にチェックして参加してみるのもいい。

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店内を探れば探るほどいろんな魅力が現れる、
こんなパブを誰が、どうして考えたのだろうか。

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ありそうでなかったコンセプトのパブを生んだのが創始者のライアン(Ryan)だ。
元牧師のライアンはフェイスコミュニティを始めるべく2009年にポートランドに移住してきた。当時からポートランドの非営利組織の多さは有名でブルワリーも山ほどあったが、ビジネスはビジネス、チャリティーはチャリティーで世界を変えようと2つが分かれていた。ライアンはこの二つを上手く融合させて持続可能なモデルを考えたそう。

ビジネスの経験のなかったライアンは家の近くにあったこの物件を見つけ、ボランティアを募った。構想から3年、その半分を費やしたリノベーションを始め立ち上げには多くのパートナーが現れ、ライアンは積極的にそれを受け入れた。インテリアには当時、みんなで作り上げた跡がいたるところに残っている。

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ライアンに聞いてみた。
「構想の時から今にかけて何か違うことはあった?」

「大きくはなくイメージしていたものが出来たよ、ただその中にはたくさんのサポートがあった、専門的なものから地元の人たちによる協力までポートランドの人々のコミュニティ意識があったからこそここまでのものを作り上げることが出来たんだ。」

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「たくさんの幸せを生み出している訳だけど、ライアンはどんな時に幸せ、やりがいを感じているの?」

「これまでに数え切れないほどの幸せを味わってきたけど、その多くは他の誰かと共に作り上げた感動を一緒に味わうことができた時、例えばチャリティーイベントの中で僕自身もその中の一人として多くの活動の成果を見ることが出来る。世界ではいろいろなことが起きていて悲観的になることも多いけど、僕やここに関わってくれる人たちは楽観的にものごとを考えて出来ることをやっている。これを『シニカル・オプティミスト』と呼んでいるのだけど、こうした考え方が出来るからこそ形にできるし、多くのやりがいを感じられるんだ。」

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最後に1つこれからについて聞いてみた。
「オレゴンパブリックハウスのコンセプトは多くの注目を集めているけど、今後ここから別の場所に展開していくことは考えてる?」

「僕たちの長期的なビジョンの中に次の店舗はある。ただそれはあくまでポートランド、別の都市にはない、なぜなら僕はこの土地に住み、この土地を愛しているから。」

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ビジョンはいたってシンプル、
「コミュニティの中で食事をし、新たな方法で世界を変える。」
美味しい食事が人を幸せにするなら、ここは幸せが幸せを生んでいる。
さぁ、あなたも一緒に一杯のビールから世界を変えよう。

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「Cheers!(乾杯!)」

The Oregon Public House

place 700 NE Dekum St, Portland, OR 97211

time 月 – 土 : noon – 10pm, 金 & 土 : noon – 11pm, 日 : noon – 9pm

web WEBサイト

TEL:503-828-0884
Wi-Fi 有

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