地下室のラボで誰でも気軽にビール作り「Portland U-Brew & Pub」

「ここは誰でも気軽にビール作りが楽しめるラボなんだ」

Portland U-Brew & Pub(ポートランド ユー・ブリュー & パブ)、通称 P.U.Bはそんなアットホームなブルワリー。“ラボ”という表現がぴったりな地下室の醸造所は毎週末、お客さんのビール作りのために開放されてる。

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Zwickelmaniaで2件目に訪れたP.U.B. があるのは、アンティーク・マーケットで有名なサウスイーストはセルウッド地区。ちなみにZwickelmaniaはオレゴン中のブルワリーで工場見学とテイスティングがフリーで楽しめる、年に一度のクラフトビールの祭典。詳しくはこちらを見てほしい。

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P.U.Bの1階はショップになっていて、麦芽やホップからプラスチック樽まで、自宅でビール作り(Home Brew)を楽しむための材料がなんでも揃う。

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ショップの隣には小さなパブ。なんだろう、このすごく落ち着く感じは田舎の喫茶店のよう。古ぼけたレジ、チープな壁掛けテレビ、所狭しと貼られたステッカーやフライヤーもいい味出してる。

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このいかにもビール通なたたずまいのおっちゃんはクリフ(Cliff)。とってもフレンドリー。英国はロンドン郊外の町で生まれ、カナダに渡った後、ここポートランドにやってきた。クリフのお父さんはかつてロンドンでパブをやっていて、小さい頃からビールは身近な存在だったって。

クリフが最初にサーブしてくれたのは「Funky Monkey Belgian Ale」。そのファンキーなネーミングと裏腹にすっきり爽やかな味わい。

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これが本日のお品書き。「White Coffee Stout」とか「Imperial Mocha Stout」みたいにコーヒーの入ったスタウト(黒ビール)は、日本では珍しいけど、ポートランドではけっこうポピュラー。コーヒーとクラフトビールの組み合わせなんていかにもポートランドらしいよね。もちろんそれらもいただいたよ。フリーで。

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地下室の“ラボ”は吹き抜けになっていて、パブから様子が見下ろせる。カメラを向けるとポーズをキメてくれる陽気なP.U.Bのスタッフ。

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好きな写真なのでもう一枚。アメリカ人もダブルピースってするんだなあ。右のヒゲの人はP.U.B.のオーナー兼ブルワーのジェイソン(Jason)。さっきビールをサーブしてくれたクリフの息子さん。

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お客さんに解説中のジェイソン。

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ぼくら一行のツアーガイドをしてくれたのは、ポートランダーらしくたくましいヒゲをたくわえたアーロン(Aaron)。ここまでに成長させるには“忍耐”が必要なんだと言ってた。ここに2010年創業当時のアーロンの写真(ヒゲ少なめ)が載ってるんだけど、コレぜんぜん別の人やで。

アーロンはジェイソンとともにP.U.B.を創業した共同オーナー。それ以前にブルワーとして働いた経験はないけど、趣味のレベルを超えるほどのHome Brewマニアだったみたい。そんなアーロン、実はMBA(経営学修士)を持ってるインテリでもある。

「経営学の中でも特に環境経営に興味があった。好きなビール作りを通じてそれを追求したいと思ったんだ」

うーん、いかにもポートランダーらしいロマンのある話だなあ。

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材料はローカルを使って地産地消はもちろんだけど、それだけじゃない。麦とかの搾りかす(spent grainという)は、ポートランドからも程近いワシントン州ワシューガル(Washougal)にある養豚場に送られてブタさんのえさになる。養豚場からは、お礼としてお肉やハムがバックされるんだって。

アーロンはこれを“Cycle of Life”と表現してた。前回レポートしたHUBもそうだけど、オレゴンのブルワリーの多くがこういう取り組みをやってるらしいよ。

エコいなあ。すごくエコい。

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ところで冒頭でも触れた通り、このラボは毎週金土日に一般のお客さんのビール作りに解放されてる。利用料金は175~250ドル(量や材料によって変わる)。フレンドリーでサービス精神旺盛なP.U.B.スタッフが丁寧に教えてくれるので初心者でも安心。実際、利用する人のほとんどが初心者なんだとか。

「ビギナーだからこその新しいアイデアも出てきてすごく面白いんだ。例えば、地元で名物のキャンディーをビールに入れたいっていうハワイ出身のガイがいたよ。それで作ってみたら、すごく旨いビールが出来たんだ」

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ここはスタッフ以外立入禁止の発酵ルーム。ビール教室の“生徒”たちが仕込んだビールの発酵プロセスは、P.U.B.のスタッフが責任もって管理。5週間後には出来上がったビールを持って帰れる、という流れ。

右に見える穴から延びるチューブには「Glory Hole」という輝かしい名前が。発酵途中のビールをここから味見できる。

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Glory Holeのチューブを手に「いつでも飲めるんだぜ」とばかりにドヤ顔のアーロン。仕事中に飲めるなんてうらやまし(※ビールを飲むのもブルワーのお仕事です)。

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メタリックに輝くビールタンクにはそれぞれ女性の名前が付けられてたりする。左からBarbara、Iris、Annie。しっかり者の長女Barbara、男勝りな次女Iris、わがままな末っ娘Annie。そんな美人三姉妹(※設定は筆者のベタな妄想です)。

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そんな遊び心いっぱいのブルワリーPortland U-Brew & Pubで、Brew Your Beer!

Zwickelmania

time 毎年バレンタインデーの11am – 4pm に開催

web WEBサイト

開催されるブルワリーは点在しているのでWEBサイトにてご確認願います

 

Portland U-Brew & Pub

place6237 SE Milwaukie Ave, Portland

timeTue – Fri:11am – 7pm, Sat:9am – 7pm, Sun:9am – 6pm, Mon:休み

web WEBサイト

TEL : 503-943-2727
EMail : pdxubrew@gmail.com

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