ポートランドでステーキ。Sayler’s Old Country Kitchenはローカルに愛される老舗

アメリカの食べ物の王様といったらステーキ。健康志向で肉食度控え目という印象もあるポートランドですが、やっぱりここはアメリカ。昔から変わらない味とサービスで地元の人に愛される老舗ステーキハウスもあります。

Sayler’s Old Country Kitchenがあるのは、ポートランドの東のはずれの郊外。用事がなければ、まず行かない場所ですが、ポートランドで美味しいステーキを食べたいなら、ここまで足を運ぶ価値があります。

見た目はロードサイドによくある大型ファミレス・チェーンみたいに没個性なSayler’sですが、週末のディナーともなると、広大な駐車場は車で埋まり、300席以上もある店内から人が溢れ、こんな風にお店の外で待つ人が出る超人気店。

でも回転は早いので、混んでいる時でも、わりとすぐに案内されます。平日であれば、ほぼ待たずに席に着けます。

そんなSayler’s Old Country Kitchenは1946年、Art SaylerとDick Saylerという兄弟が創業。以後70年以上にわたってポートランドに根を張っています。

客層はキッズからシニアまで幅広く、肉厚のステーキを美味しそうに食べているおじいさんやおばあさんの姿もたくさん見かけます。

名物の肉の形をしたメニュー。デザイナーの友人は「この型抜き、けっこうお金かかるよ。これを採用できるクライアントはなかなか居ないからすごい」というプロ目線の感動をしていました。こういう遊び心にお金をかけられるのも「いい店」の証ですね。

メニューは豊富で、ポークやチキン、シーフードもありますが、ここに来たならビーフステーキ一択でしょう。ヒレ(Filet)やサーロイン(Sirloin)といった日本語でもお馴染みの名前の他に、ニューヨークカット(New York Cut)、リブアイ(Rib Eye)といった日本では聞き慣れない肉ワードも出てきます。ものすごく単純に言うと、ニューヨークカットは厚切りの赤身肉、リブアイは脂多めのコッテリ肉。がっつり食べたい方にはどちらもぴったりだと思います。
でも、ここで注意を促しておくと、余程の大食いさんで無い限り、肉のサイズは10オンス前後の小さいものにしておいた方がいいでしょう。なぜなら、ステーキを注文すると自動的に付いてくる前菜や副菜が魅力的すぎて、油断するとそれだけで満腹になってしまうからです。


このレストランの最大の関門が注文方法。これがなかなか複雑で、初めてだと戸惑ってしまうと思います。決めることは以下の6点。

 

1.肉の種類と大きさ
2.焼き加減
3.スープかサラダか
4.サラダの場合、ドレッシングを選ぶ
5.付け合わせのポテトの種類
6.デザートの種類
これだけのことが右上の「Dinners include…」のくだりにさらっと書かれているのですが、初来店の日本人が気付くわけもなく、質問攻めにあって冷汗をかくのが通過儀礼です。

 

1.肉の種類と大きさ
最初に伝えるのはこれ。例えば、8オンスのサーロインなら”I’ll have eight ounce sirloin” と言えばOKです。メニューに書いてある通りなので、メニューを指さすだけでも大丈夫です。

 

2.焼き加減
続けて、”How would you like your steak?” のように聞かれます。これは焼き加減のことです。「Rare」「Medium Rare」「Medium」「Medium Well」「Well Done」から、好きな焼き加減を伝えてください。

 

3.スープかサラダか
“Soup or Salad?” と聞かれます。スープは日替わりなので、”What is today’s soup” と聞いてみましょう。スープにするなら “I’ll have a soup”、サラダにするなら “I’ll have a salad” と伝えてください。注文したことないけどコールスローも選べるとメニューには書いてあります。

 

4.サラダの場合、ドレッシングを選ぶ
まずはどんなドレッシングがあるのか、”What dressings do you have?” と聞いてみましょう。10種類近くあったと思います。覚えられません。何度も聞き直すも良し、聞き取れた中から好きなものを選ぶも良し、”Which do you recommend?” “What is your favorite?” のように店員さんに丸投げするのも良しです。

 

5.付け合わせのポテトの種類
“How do you like your potatoes?” とか、もっと具体的に “Mashed potatoes, french fries, or baked potatoes?” のように聞かれます。お勧めはマッシュポテト。グレービーソースがかかっていて美味しいです。ステーキの付け合わせとしてはこれがベストだと思います。フレンチフライやベイクドポテトはけっこうお腹ふくれるので、ステーキのための胃袋のスペースを奪ってしまいがちです。ちなみにライスも選べるのですが、パッサパサの残念なシロモノなので、やめておいた方がいいです。日本のステーキハウスで出てくるほかほかの白ご飯は期待しないでください。

 

6.デザートの種類
食後に聞かれるので、最初のオーダー時には気にしなくて大丈夫です。アイスクリームが出ます。バニラとかチョコレートとかのフレーバーを聞かれます。

難関の注文を終えてほっと一息付いていると、これが運ばれてきます。Relish plateと呼ばれる野菜盛り。キュウリのピクルス、ニンジン、セロリ、オリーブ、ヤングコーンです。自家製のクリームソースが美味しいです。これだけでお酒がすすみます。
そしてパンも。アメリカによくあるパサパサの残念なパンではなく、ふかふかの日本人好みの味。自家製ガーリックバターも美味しいです。しかもパンはおかわり自由。
初めて来た時、この2つが出てきた瞬間に、この店は神だと思いました。これだけをつまみに飲んでいたいくらいですが、この後には主役のステーキが控えています。食べ過ぎ注意です。

そしてさらに、スープかサラダが運ばれてきます。この日のスープはコーンクリームスープ。美味しいです。ミネストローネやクラムチャウダーの日もあります。もう既にかなりの満足感がありますが、まだ主役は登場していません。繰り返しますが、食べ過ぎ注意です。

いよいよ主役の登場。左が8オンスのサーロイン、右が6オンスのヒレ。いちばん小さいサイズのため、写真が迫力不足で申し訳ないのですが、味に間違いはありません。ともに付け合わせはマッシュポテト。ちなみにステーキに付いているオニオンリングもお店の名物で、単品で注文することもできます。ただ、他のお客さんが単品注文しているのを見ましたが、とんでもないボリュームで出てきます。怖くて注文できません。

これは10オンスのニューヨークカット。言うまでもなく美味しいです。噛み応えがあって、肉のうまみを存分に感じられるアメリカン・スタイルのステーキ。日本では「柔らかい」肉が評価されがちですが、アメリカ人が好きなのは力強い肉。

ここのステーキは塩コショウの下味が十分に付いていて、そのままでも美味しいのですが、Sayler’s オリジナルのマッシュルームソースも是非試してみてください。和風ステーキソースのような日本人好みの味です。

これだけ食べて、30ドルほど。お値段以上の満足感があります。
食事をしている間、周りの席からは3回もハッピーバースデーの歌が聞こえてきました。ここはファミリーや友人で、お祝いのディナーにやって来るハレの日のレストランなんですね。

Sayler’s Old Country Kitchen

place10519 SE Stark St, Portland, OR 97216
time月-木:4pm to 10pm, 金:4pm to 11pm, 土:3pm to 11pm, 日:12 noon to 10pm
web WEBサイト

Tel: (503) 252-4171

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