• Nong's Khao Man Gaiオーナー

  • Nong Poonsukwattana

  • INTERVIEW

  • Writer Tsubo

  • Editor Masaki

【インタビュー】「Nong’s Khao Man Gai」 Nong Poonsukwattana

白く小さな紙袋に包まれた一品のタイ料理から始まった彼女の夢はまだまだ終わらない。

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この記事はお店の紹介とそのヒストリーを書いた「白い紙袋に包まれたチキンとライス 」人々を虜にした一品のタイ料理「Nong’s Khao Man Gai」と一緒に読まれることをお勧めします。

ノング(Nong Poonsukwattana)は「ノングカオマンガイ(Nong’s Khao Man Gai)」のオーナーで彼女のお店はダウンタウン、エルダーストリート(Alder St.)のフードカートから始まり、2軒目のフードカートをPSU(ポートランド州立大学)前に、サウスイーストにはレストランと、お店を広げてきた。
お店のメイン料理はカオマンガイ(Khao Man Gai:日本語では「ハイナンチキンライス」、「海南風チキンライス」などと呼ばれることもある。)
「白い紙袋に包んだチキン、ライス、ソース」というたった3つのコンビネーションで食にうるさいポートランダーの舌を虜にした。
23歳の時、所持金$17とたった2つのスーツケースで渡米、英語を勉強したことがない中で人生を再スタートさせた。
本編でお店の紹介はしたのだけれど、ノングの人生が面白くて、それでいて質問にも丁寧に答えてくれるので1つに収めることが出来なかった。
こちらではメインのフードカートとは少し離れて、本編に関する裏話やポートランドへの思い、これからのことなど、個別に聞き込んだ話を中心に書いていく。
また先に今回の写真や一部質問にも貢献してくれた同じライターであり、ノングの友達でもあるMikiに感謝を述べて記事に入っていくことにしよう。

 
Interview&Photos by Tsubo&Miki, Edited by Masaki

ポートランドへの思いやビジネスへの考え方も聞きたいがその前に

「ポートランドに着いた時、持っていたものは所持金$17と2つのスーツケースという話を本編でしたけど、お金はそもそも用意してなかったの?」

写真:1

「実を言うと、バンコクを出発する時、家族は私に$300をくれたわ。だけど経由地であった韓国でシャネルの化粧品を買うのに使ってしまったの。それで到着した時は$17しか持っていなかったというわけ。」
なるほど(笑)、ちなみにこの話は、2014年に「TED×Portland」でも話されているが、なんともノングらしい話である。

「バンコクからポートランドに来て生活する中でポートランドのどういうところが好き?」

写真:2

「ポートランドは日々の中で自分という人間の形成に影響を与えて続けているわ、私はバンコクから来たけど、バンコクはとにかく大きな街だった。私はポートランドが好き、なぜなら自然が近くあるから。山にも海にも1時間少しで行くことが出来るの。私はここでロッククライミングを学んだけどそれからまた更に生活は明らかに変わったわ。いろいろなものが見えるようになった。
クライミングと私のビジネスは似ているの、常にトップを目指していかないといけないし、失敗したとしても挑戦し続けないといけない。」

写真:3

「またここでは私たちは自分の食べる野菜を自分で作ることが出来るわ、たとえ自分の庭がなくても多くのコミュニティガーデンを持っている。交通も便利、私は自分の自転車でいつも仕事に行くことが出来るの。そして何よりこの街は私に1つの小さなフードカートを経営するチャンスをくれたわ。私はいつもこの街で夢を持っている、仕事でも自分の生活でもね。」

「失敗という話が出たと思うけど、お店が軌道に乗り出してからは何か大きな失敗はあったの?」

「お店が軌道に乗り出して私は大きな壁に当たった。私はどうやってお店を経営すべきか、ビジネスの勉強を避けていたわ。それが言うならば失敗だったのだけれど、ただどうやってカオマンガイを作ることだけを考えるようにしていた。ビジネスは欲深い人間が勉強するものだと思っていたし、自分の英語能力にも自信がなかったの。だけどお店を経営していくにはしっかりとお客さんに対して挨拶をすること、お客のためになることを考えるだけではダメで、ビジネスの勉強をすることが大切だと分かったの、それまでの私は何一つとして法律を知らなかったし、法律に関する文章もよく読むことが出来なかった。」

写真:4

「カオマンガイが毎日必要とされて来た時、どうやったら毎日それだけの量を作れるのか悩むようになったわ。それまでは他の人のサポートのおかげでカオマンガイを作ることだけに集中出来ていたけど私は何一つとしてビジネスについて知らなかったことに気付いたの。私は仕事終わりの時間を使ってオンラインでビジネスを学ぶことを始めたわ。」

「逆に軌道に乗り出してから新たにチャレンジしたことは?」

「2つあるのだけれど、新たなメニューの開発とソースの販売ね。PSU(ポートランド州立大学)前店とレストランではスタンダードのチキンアンドライス以外のメニューも用意しているわ。」

写真:5

「ソースはカオマンガイと同じく大切な商品の一つ。タイ料理で大切なのはフレーバーのバランスなの。しょっぱさ、辛さ、甘さ、酸っぱさが上手くマッチしてこそ美味しいものが出来上がるわ。ベストなものを見つけるために1g単位で調整を続けた。今では店頭はもちろん、ニューシーズンズ(New Seasons Market)や日本をはじめアジアの食品を多く売っている宇和島屋など多くのスーパーマーケットでも取り扱ってもらっているわ。」

このソースが好きでついついカオマンガイを食べてしまう人がいるほど人気のソース、今回の取材で頂いたので、今度食べ合わせでも記事を書いてみようと思う。

「ロッククライミングはホームページにある動画でもその様子が出ているけど、最近はどこでクライミングしたの?」

写真:6

「最近はちょっと前になっちゃうけどテキサスのオースティン(Austin)でクライミングをしたわ。」

この質問をしてもらったMikiがクライミングに誘われていたので、クライミングの記事を期待しておこう、うん。

「オースティンもまたポートランドと同じでリベラル(自由)な街として知られているけどオースティンでお店を開いたりする気はあるの?」

写真:7

「オースティンは実は話をもらっているの。ただ始めるとしても同じカオマンガイ、そしてフードカートで始めるつもりよ、オースティン以外にもハワイや将来的にはニューヨークでも販売するのが夢なの。」

「なるほど、いろんな土地を見始めたからこそ見えてきたポートランドでビジネスを行うことの利点は何かあった?」

写真:8

「私が考えるにポートランドがビジネスにおいて良い点は、多くの人々が作り手のことを知っていること、人々は他の人々がどのようなことをしようとしているか、またその質を気にかけているわ。それによってそれぞれの生活スタイルも信頼し合えるものになる。心に余裕のあるライフスタイルは人々を笑顔にするし、幸せを感じやすくするの。こんな生活、他のどんな街にも見られなかった。消費されるものがどこで誰が作っているのかってすごく大切なことだと思うわ。」
なるほど前に書いた「Publiation Studion(後編)」でも作り手やコミュニティの見える街の大切さは話されていた。

「今後お店を広げていく中で関わるスタッフも増えると思う。採用はノングが行っているって聞いたけど採用ではどんなところを大切にしているの?」

写真:9

「採用は最もハードな仕事の一つだわ、採用の審議にはエネルギーが必要だけど自分の決断を自分自身は信じるようにしている。重要視しているのはハードな仕事の中でもめげないタフさがあるかとチームプレイを大切に出来る人であるかどうかね。」
ホスピタリティ溢れるノングだからこその採用判断のキーポイントだと言えるだろう。
出来ないことの多かったノングだからこそ互いを思いやるチームプレイを大事にしている。

「親切丁寧に答えてくれてありがとう。最後にこれからの目標は何か教えてもらっていい?」

写真:A

「私の短期の目標は自分のお店のためにもっとビジネスを勉強すること、もっと自分のカオマンガイを広げるためはもちろん、働いてくれる仲間のためにもね、長期的な目標としては自慢のソースをもっと多くの人に届けたいと思っているわ!」

写真:B

お店で接客をするノングはとっても明るく気さくなのだけど、お店のことやビジネスのことを話すとなると常に貪欲で自分の夢のために努力している姿を感じさせられる。自らの貧しかった経験があるからこそ外見の明るさと内面のストイックさ、強く優しいノングのカオマンガイとソースは今日もポートランドの人々のお腹を優しく満たしながら、更なる成長を続けていく。

 

①DOWNTOWN店

place1003 SW Alder St, Portland, OR 97205

time月 – 金 : 10am – 4pm, 土日 : closed

web WEBサイト

その他:売り切れ次第終了
 

②PSU店

place411 SW College St, Portland, OR 97201

time月 – 金 : 10am – 4pm, 土日 : closed

その他:売り切れ次第終了
 

③RESTAURANT

place609 SE Ankeny St, Portland, OR 97214

time7 days a week: 11 am – 9 pm

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