• The Unipiper

  • Brian Kidd

  • INTERVIEW

  • Writer Tsubo

  • Photographer Tsubo

  • Editor Ryoma

Cool Portlander「ポートランドを駆け巡るバグパイプ演奏家 :The Unipiper」

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ポートランドの街を駆け抜ける。その姿、音色がポートランドを体現し、人々を魅了する。

「ダースベーダーが一輪車に乗って楽器を演奏している?」
ユニパイパー(The Unipiper)のバグパイプの音色がポートランドの街中に鳴り響く。街ゆく人々はもちろん、バスでさえもがその場に停まり、彼の音に耳を澄ませ、カメラを取り出し写真を撮る。ユニパイパーの正体、ブライアン(Brian Kidd)は自分自身を「非公式のポートランド大使」というけれどその言葉も今やあながち間違いではない。
ユニパイパーの動画は再生数200万回近いものもあり、ポートランドの観光ポスターには彼のパフォーマンスを表したイラストが描かれ、ポートランド中の様々なイベントに引っ張りだこだ。
 彼を初めて見たのはポートランドに来て2日目のこと、ダウンタウンを散策中、その音色に思わず足を止めた。それから数ヶ月たった後、道行く僕の目の前に再び彼は現れた。ポートランダーの心を惹きつけている彼に話を聞いてみたいと思う気持ちを抑えきれず、マスク越しの彼に僕は声をかけた。
 
Interview & Photos by Tsubo, Edited by Ryoma

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「始まりはゴミ箱の中にあった一輪車だった。」

 
N一輪車とバグバイプを一緒にやることになったきっかけって何だったの?

Brian僕がバージニア州の大学で海洋生物学を学んでいた頃、ある日ゴミ箱の中で一台の一輪車を見つけたんだ。これまで特に乗った経験はなかったから3週間かけて乗り方をマスターしたよ。当時、バグパイプは地域の団体で学んでいた。1年続けた頃にはバグパイプも十分に弾けるようになっていたよ。一輪車とバグパイプの両方が出来るようになった時、即座に閃いたよ。この2つを同時にやったら面白いんじゃないかって、それが今のパフォーマンスの始まりだった。

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「100%安全なものなんて無いってことに気づいたんだ。」

 
N実行するまでに何か大変なことはあった?

Brian実は考えついてから実行までは時間がかかったよ。バグパイプは大学を卒業後、海洋生物学を専攻していたことから水族館でインターンシップをしていたのだけれど、その傍ら結婚式やお葬式で演奏してお金を稼いでいたんだ。その頃はまだ一輪車を組み合わせた練習はしていなかった。なぜなら一輪車でこけた時、パイプを傷つけるのが怖かったんだ。当時パイプを良い状態にメンテナンスするのに高いお金が必要だったからね。だけどある夜、友達と飲んでいた時に考えたんだ。ヘルシーを売りにするビールだって体に害がないなんてことはない。
どんなに考えたって100%安全なものはない、それなら挑戦したほうがいいんじゃないかって、それが2007年のことだったよ。

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「パフォーマンスで手に入れたお金が以前の仕事を上回っていたんだ!信じられなかったよ!」

 
Nポートランドに来る前も今のパフォーマンスを行っていたの?

Brianポートランドでユニパイパーとして活動する前、水族館の同僚と海辺のストリップクラブの近くに住んでいたことがあってね。午後にそのストリップクラブで一輪車に乗り降りしながら演奏したのが始まりだったんだけど、人々はどんどんお金を投げてきた。飲食店にも雇われたことがある。当時は今と演奏する音楽こそ同じものはあっても特別なコスチュームはなかったし、常に顔を出して演奏していたけど“一輪車に乗りながらバグパイプを演奏する”っていうことだけで人は集まったよ。当時稼いだお金はそれ以前に働いていた水族館のお金を上回っていたんだ、信じられなかったよ。

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「ポートランドの人たちは本当に暖かい、僕のパフォーマンスはここでしか考えられないよ。」

 
Nどうしてポートランドをパフォーマンスの場に選んだの?

Brianポートランドに来る前から、ポートランドには様々なカルチャーがあって面白い街だということはよく聞いていて、一度旅行で訪れてみたんだ。ユニパイパーをするならここだってすぐに分かったよ。ポートランドの人たちは驚くほど僕のパフォーマンスをサポートしてくれるんだ。だからこそユニパイパーも簡単に馴染んでいく事ができた。仕事もポートランドで見つけることが出来たから本格的にスタート出来た。ポートランド以外でもユニパイパーとしてパフォーマンスをしたことはあるけど、やっぱりポートランドほど自分を受け入れてくれる場所は他になかったよ。僕のモットーは“Portland Keep Weird”(ポートランドよヘンテコであり続けろ)だ。他のアメリカにはない、たくさんのヘンテコなポートランドの文化を体現したいと思っているよ。

 

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冒頭でも述べたようにユニパイパーの活動は幅広い、ホームページには彼のパフォーマンスの場所やスケジュールが書かれている。街中でのパフォーマンスはもちろんプロスポーツのブレイクタイムパフォーマンスから結婚式に誕生日お祭りに今年はTED(大規模プレゼンテーションイベント)の余興まで行うことになった。

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プロモーションにも積極的でサイトやTwitterではリアルタイムで彼のパフォーマンスを行っている場所が分かるし、Facebook、YouTubeにInstagramと彼の活動を直接会わずとも見られる機会は多い。その成果もあってか彼のパフォーマンスはポートランドの人々に受け入れられることはもちろん、全米規模のニュースやウェブマガジンにも取り上げられ、今やそのパフォーマンスは全米に知れ渡っている。

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「ダースベーダーの印象が強くなりすぎて、他のコスチュームだと偽物だと思われたよ。」

 
N今のバグパイプやコスチュームは誰がどうやって作ったものなの?

Brianこのバグパイプはオーストラリアにいる仲間とともに作ったんだ。“This Machine Keeps Portland Weird”という言葉を書き入れてる。普通のものと違って、炎も噴き出せるようになっている特別なものだ。プロパンガスを装備していて、このボタンを押すと炎が出る仕組みになっているよ

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Brianコスチュームはダースベーダーの他にもサンタクロースやジャック・スパロウ(Jack Sparrow:映画パイレーツオブカリビアンのキャラクター)、マリオなんかもあるよ。コスチュームは自分で用意しているんだ。ダースベーダーのマスクの下にはバグパイプが吹けるようにこうして穴を開けたよ。

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Brian初めはコスチュームを考えるのに人気のものをいろいろと考えて実施していたけど、ダースベーダーが人気になりすぎて最近は他のコスチュームでパフォーマンスをやると“ユニパイパーの偽物”だって間違えられることもあるよ。

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「妻と出会ったのは僕がパフォーマンスをしていた時、彼女はユニパイパーのファンだったんだ。」

 
Nどんな時にユニパイパーとしてのやりがいを感じる?

Brianパフォーマンスをした時に見ているお客さんが楽しんでくれて笑顔になってくれている時かな、パフォーマンス終わりにお金や食べ物などいろいろとものをくれる人もいるよ。実は結婚した奥さんも元はユニパイパーのファンだった。ファーマーズマーケット(ポートランド州立大学で土曜日に行われる市場)でパフォーマンスをしている時に出会ったよ。彼女は僕のパフォーマンスが終わるのを待ってそれから僕の方に来て連絡先をくれたんだ。

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N逆にこれまで何か大きな失敗や辛いことはあったの。

Brian失敗という失敗は一度だけパフォーマンス中に落下したことかな、それと今はまったく気にしないようになったけど、やっぱりパフォーマンスをしていると9割の人は喜んでくれたり、暖かく見守ってくれたりするけど、嫌がる人もいて、罵声を受けることがあって辛いことがあったのも確かだね。

 

メインはポートランドでパフォーマンスをするブライアンも休みの日はアウトドアはもちろん、様々な国や街に足を運ぶ。昨年日本も訪れたということで日本についての話も聞いてみた。
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「日本でもぜひパフォーマンスをやってみたいよ!原宿なんかいいんじゃないかな。」

 
N昨年、日本を訪れたようだけど日本はどうだった?

Brian東京、京都、大阪を2週間ほどで回ったけど、日本の文化と食べ物はどれも興味深いものばかりだったよ。僕のお気に入りの場所は秋葉原だ!子どもの頃から日本のゲームが好きだったからね。一番好きな日本食はラーメン。幸運なことにポートランドにはボクサーラーメン(Boxer Ramen)やカレー(Kale)といった美味しい日本食レストランがあるよね。

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N日本でもパフォーマンスを行ってみたいと思う?

Brianそうだね!機会があるならぜひ日本でやってみたいよ。日本でやるならいくつか場所はあるけど原宿みたいなところがいいんじゃないかな?日本に行った時、ポートランドと同じようにヘンテコで面白いものをたくさん見たよ。だから日本の人もきっと僕のパフォーマンスを楽しんでくれるはずさ!日本もまた” Keep Japan Weird”であって欲しいね!

 

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最後にこれからのことについてブライアンはこう話す。

「これからもユニパイパーで見てくれる人が予想も出来ない感動や驚きを与えて行きたいと思っているよ。」

ポートランドの街中を歩いた時、バグバイプの音色が聞こえたなら少し辺りを見渡してみるといい。“Keep Portland Weird”きっとあなたはまた一つポートランドの奇妙な魅力に触れることになるだろう。

The Unipiper

web WEBサイト

その他 :パフォーマンス日等は上記ホームページをご覧ください。

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